mekkenで力を入れている表面加工のひとつ「パシペート処理」のお取引があるA社に、取引に至る背景や実際に発注してみての感想などをお伺いしました。
(2023年2月6日)
ステンレスパシペート処理の発注先が突然の廃業宣言!
当社はポンプに使われるばねを製造しており、中でも食品関連や原子力発電所関連など、表面処理に気を遣う製品を多く取り扱っています。
従来からステンレスのパシペート処理を発注していた業者の社長が、体調不良で入院したことをきっかけに、突然の廃業宣言をされました。しかも「1か月後」にというではありませんか。
当社で受注している案件は、数年先のものまであるため、新たにパシペート処理できるめっきメーカーさんが見つからないことには、出荷を停止することになってしまいます。
すぐに取引先のお客様に連絡をするものの「何とか代わりの業者さんを見つけてください」と。当然そうなりますよね。
ステンレスばねのパシペート処理はめっきメーカーに断られる!?
何社かあたってみたものの、実はステンレスばねのパシペート処理は断られることが多いのです。
同じステンレスでも、ボルトやナットと違い、ばねはとてもやりにくいんです。というのも、絡みや変形の問題もありますし、薬品の寿命がボルトやナットと比べて段違いに短くなってしまう。薬品を交換する頻度が高くなるということは、それだけコストがかかりますからね。しかもコロナ禍とウクライナ情勢の影響で、何かと原価が高くなってしまっています。だからお断りするめっきメーカーは多いと思います。
mekken 武中部長のコメント
そんな中、10年前くらいに一度亜鉛めっきを発注したことのある三晃鍍金工業所さん(mekkenの設置会社)に相談したところ、社長さんが快く引き受けてくれました。
当社の取引先のお客様がOKを出してくれないことには転注ができません。そこで、実際に製品をパシペート処理してもらうとき、何度も打合せを行い、試験をしていただきました。
その甲斐あって無事にOKをもらえ、先に受注していた案件も、その後の案件も安定して納品ができています。本当に感謝ですね。
お任せするだけの理由があった
今回の案件を依頼するにとき、もちろん緊急で困っていたこともありますが、最終判断できたことはいくつか要素があります。
- 管理体制がしっかりしている
工場見学に伺った際、隅々までしっかりと管理されていることが分かり、安心感がありました。当社がこれまでお付き合いしてきためっきメーカーさんで、ここまでしているところはなかったですね。 - 従業員のあいさつ
会社に伺った際、従業員のみなさんがあいさつをしてくれ、教育がいきわたっていることを感じました。 - 必要な設備が整っている
ばねの表面加工の工程には「ベーキング処理」が必要。装置をもっていないめっき屋もありますので、まず前提条件としての必須項目ですね。
最近では、取引先から細かく材料の検査結果を求められることも多くなってきました。以前は材料に添付さてれているミルシート(検査証明書)を提出すればよかったものが、同じロットの材料でも品質にばらつきがあったり、時には粗悪なものが混じっていたり・・・。
三晃鍍金工業所さんでは、検査についてもしっかり対応してくださるのと、納期も遅れることなく仕事をしてくださり大変助かっています。今後も頼りにしています。